2013年7月11日木曜日

香りと記憶


久しぶりに手に取った2つのフレグランス。





















両方同時にシュシュッとスプレーし、香りがブレンドしたとたんに
記憶が一気に3年前に戻りました。

香りでそのような体験されたことありませんか?

「あの人の香水だ」
「あの時に泊まったホテルの廊下の匂いだ」
など、何回もそのようなことが今までありました。

この2つのフレグランスは3年ほど前に
母の展示会を行った時を思い出させてくれます。
カラーワークスさんのパレットギャラリーで開いた、
「森瑤子、再会に乾杯展」でのさまざまな風景や出来事のことを。

空間に焚いていた、森瑤子にぴったりの
2種類のアロマキャンドルのブレンド。
イギリスのJo MaloneのPomegranate noir (黒いザクロ)と
Wild Fig and Cassis (イチジクとカシス)の2つの香りのブレンドでした。
フルーティーでありながらセクシーでミステリアス。
ちょっと危険やスリルを感じさせる大人の香り。





















あの時、森瑤子の世界をつくりあげるために使った真っ赤な壁紙や
ペンキ、床に敷いたフワフワなカーペット、カーペットの上に放り投げたように
置いてあった真っ赤なヴェルヴェットのクッション、
書斎を再現するために使ったアンティークのテーブルの質感、
オープニングパーティの風景や、来てくださった様々な人達のお顔などが、
まるでスライドショーのように、
次々と目の前を一瞬のうちに通り過ぎて行ったような気持ち。
そして様々な場面が目の前を通り過ぎている間に聞こえてきたのが
当時、バックでかけていた母が大好きだったヴィヴァルディの「四季」。





















ほんの一瞬のことでしたが、不思議な体験でした。

2013年7月6日土曜日

Feeling thankful






















仕事でもプライベートでも忙しい一週間でした。

先週末、愛犬ベイリーがまた貧血で入院をしてしまい、
三度目の輸血を行い、無事退院。

入院する嘆美に少しずつ弱っていくのは確か。
今は立ち上るときや、ごはんを食べる時には人の助けが必用なぐらい。
でも体が弱っていても、目がキラキラと輝いているところが
なによりも私達を安心させてくれています。
がんばりたいといった意欲と、私達を心配させたくない
ベイリーらしい優しさの両方が込められている
目の輝きだと思うとちょっと胸が痛むところですが、
とにかくベイリーを信じることが最も正しいことなのかなあ、
といった強い思いがあり、かえってベイリーから力をもらっている気持ちです。

そんな一週間のなか、素敵なお知らせもあります。
久しぶりに母、森瑤子の新しい本が本日出ました!






















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「女は贈り物されるのが好きだ。」
by 森瑤子
写真:おおくぼひさこ
(サンマーク出版)
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実は今日、7月6日は母の命日。
亡くなって20年が経ちます。
あっという間の20年。
生きていたら72歳。
72歳になった母を見てみたかったです。
今だったら、素敵な大人同士の付き合いができていはず、
最近よく思うことがあります。
一緒にお酒を飲みたかったなあ。
今夜や母が大好きだったシャンパンを飲む予定。
二人分飲んじゃいます!

この日に刊行を間に合わせるために一生懸命がんばってくださった
サンマーク出版の担当編集者のSさんをはじめ、
制作に関わった多くの方々には感謝の気持ちでいっぱいです。
そしてこの素敵な本が作ることができたのはなによりも
今まで温かく応援してくださった多くのファンに方々のおかげです。
Thank you all so very very much!

2013年7月3日水曜日

クッキーとビスケット

















イギリスではbiscuit tin (ビスケットの缶)。
アメリカではcookie jar (クッキーのジャー)。

国によって「クッキー」なのか「ビスケット」なのかの
違いも面白いけれど、保存方法が違うのも不思議。

アメリカではビスケットとはふっくらした、
イギリスのスコーンに似たようなもの。
でもスコーンとはちょっと違いますが...

イギリスとアメリカとで使う単語が違うのは結構多くありますが、
そういうのって、いつどこで、そして何故変わったのでしょう。

イギリス人はビスケットを缶に入れて保存するのが一般的。
素敵な缶に入ったビスケットも売られていますし、
自分の気に入った缶に、買って来たビスケットを入れたりも。
ちなみにイギリス英語では缶のことはtinと言います。
そしてbiscuit tin とはどの家庭にもあるもの。
ビスケットは紅茶には必需品ですからね。





















アメリカで何故ジャーなのか分かりませんが、
大きなガラス容器にクッキーを入れるのが一般的らしい。

個人的には私はジャーの方が好き。
見えるところに置いてあってもインテリアと馴染み、
中に見えるクッキー/ビスケットも可愛いく見えるから。

でも一応半分イギリス人なので、我が家の場合は
cookie jar ではなく、biscuit jar と呼ぶべきかもしれませんね。

それにしても、我家のbiscuit jar の中身が減る早さが少し気になります...


2013年6月25日火曜日

オー!メッザルーナ!


10年程前にイタリアでこのメッザルーナという包丁を買ってからは
キッチンではなくてはならない存在となってしまいました。
















メッザルーナとはイタリア語で半月。
その形から由来していることでしょう。
両側にある取っ手を握り、左右にごろんごろんと動かしながら
野菜、にんにく、ハーブなどをみじん切りやペースト状にするのに使うこの包丁。
イタリアのどの家庭にもあるキッチン道具だどうです。
使ってみるとなんとなくその理由が良く分かりました。


















みじん切りがあまりにも手早く簡単にでき、
ごろんごろんとやっているのが、不思議に気持ちが良くて楽しく、
気がつくと鼻唄を歌っていることも。

















この日はコリアンダーとにんにくを一緒にごろんごろん。
材料を一つずつではなく、全部一緒に押しつぶすように刻んでしまうのがコツ。
何種類かのハーブや、にんにくとパセリ、レモンの皮とローズマリーなど、
ごろんごろんと刻んでいるうちにとてもいい香りがしてきます。
それをそのままパスターのソースにしたり、
お肉のマリネにしたり、ドレッシングを作ったり。


















細かく刻んだコリアンダーとにんにくは、オリーブオイルと
チリペッパーと混ぜてコリアンダーオイルに。





















トマトとアボカドにレモンかライムを絞り、
その上からコリアンダーオイルをかけるサラダ、
コリアンダー好きにはたまらない味です。

2013年6月20日木曜日

オリエント急行とズッキーニの花

















昔、母のオリエント急行での取材に同行したことがあります。
大学の卒業祝いを兼ねての旅行でした。
ロンドンからベネチアまで一泊二日の列車での優雅な旅。
一生忘れない貴重な体験になりました。
そして、母との最後の二人だけの旅でもあったため、
大切な思い出の旅でもあります。

正直、今思うとあの旅は少なくても20年は早かったような気がします。
20代前半の大学で縦の世間知らずな私にはまだもったいないような。
母もきっと当時、今の私と同じように思っていたことでしょう。
「私の横にいるのは娘ではなく、素敵な男性だったらもっと良かったのに」と。
その「素敵な男性」とは父のことだと娘としては思いたいです。

確かに、大人になってから、もう一度体験してみたい旅です。
いつかまたやりたいことの一つです。
きっと昔とは全く違った体験になることに違いありません。
















当時の母の年齢とは、今の私とほぼ一緒だと気付いて驚き。
写真は途中駅でちょっとだけ下車した私に、窓から手を振る母。
とてもいい笑顔で楽しそう。

列車内はまるでアガサ・クリスティーの小説の世界。
そして今まで経験したことのなかったようなサービス。
これだったら一生列車の中で暮らしてもいいと
母と二人で冗談を言ったりもしました。

そして美味しい食事。
その中で一生忘れないのがズッキーニの花を使った一品。
















ズッキーニの花は初めて。
当時はズッキーニにお花があるとも知らないぐらいでした。
牛の骨髄をズッキーニの花に詰めたお料理の美味しさと
その時の感激は今でもはっきりと覚えています。

ズッキーニの花の料理はあの日以来食でした。
よく思い出し、食べたいと思っても、季節の問題などで
なかなかタイミングが合わなかったのかもしれません。

そして先日、いつも行く野菜市でついに発見。
迷わず手に取り、すぐレジへ。
















さあ、何を作ろう。
オリエント急行のシェフを真似しようとは、とんでもない。
自分の出来る範囲のものを、と思って豚の挽肉とハーブとお米を
お花に詰めてオーブンで焼いてみました。
















簡単に言えば、ピーマンの肉詰めのズッキーニのお花ヴァージョンでしょうか。
とても美味しかったです。

もちろんオリエント急行の料理とは比べられませんが、
「ズッキーニのお花」を目の前に、あの時を思い出し、
久しぶりに写真や記念品としてとってあったメニューや
車内の個室にあった案内やレターセットなどを手に取って
あの時を振り返る良いきっかけに。

2013年6月11日火曜日

Pots 'n pans


「クロワッサン」6/25号に掲載の
「料理好きの鍋・フライパン談義」の撮影でのランチタイム。

フラワースタイリストの平井かずみさんと
お鍋についての対談、そしてそれぞれがお気に入りのお鍋で
得意料理を作るといった企画でしたので
この日の「ロケ弁」もちょっと特別なもの。



午前中は我が家でお鍋とお料理の撮影。
そして午後は平井さんのお宅で撮影と対談。(そしてランチ!)

そのため、午前中の撮影が終わるとお鍋とお料理を持っての大移動でした。
今回はチキンの白ワイン煮「コック・オー・ヴァン」を
一番のお気に入りの鉄鍋で作りました。

まだ熱いお鍋をタオルで包み、気をつけてロケバスの中へ。
どうなるかちょっと心配。

平井さんのお料理の撮影が終わるといよいよランチタイム。
コック・オー・ヴァンを温めるため、
タオルを取り外すとお鍋はまだ熱々。
さすが鉄鍋。
その間、チキンもゆっくり余熱で調理されていて
ふわふわに柔らかく、スープもまろやか。

余熱の力ってすごいですね。

ランチは平井さんが作ってくださった野菜料理と
自宅から運んだコック・オー・ヴァン。
そしてスタッフが持って来てくださった美味しいパン。
なかなかアットホームな仕事中のランチ。

平井さんの野菜料理、とても美味しかったです。
なかでも大根のソテーはすでにうちでも
何度も真似して作ってみたぐらい。
(レシピは「クロワッサン」6/25号に載ってますよ!)

























二人のたくさんのお鍋。色々な種類があり、
それぞれにストーリーが。
お鍋も長年使っているうちに料理もどんどん美味しくなっていき、
お鍋そのものもどんどんと可愛くなっていくような気がします。

2013年6月8日土曜日

Why not?


最近はまっている技。
お鍋の蓋のつまみの部分にコルクを挟むこと。

コルクの部分を挟んでおけば、熱くなった蓋も
鍋つかみなしで簡単に持ち上げられるとは驚きでした。
コルクは熱くならないから挟んだままお料理もするのも大丈夫。




















スタッキングには便利とは言え、実際に料理中に開け閉めに苦労してきた、
つまみの部分が凹んでいるような蓋も、これで苦労なく使えるようになりました。

ポイントは外れてしまわないよう、ぎゅうぎゅうに入れること。




















一個でゆるゆるの場合はコルクを2コでも3コでも押し込んでしまいます。
シャンパンコルクなど、大きさが異なるものを
いくつか組み合わせればきっとちょうど良い加減にぴったりはまるはず。

使った後、そのまま蓋を洗って収納しても大丈夫。
(でもたまには取り替えたいですね)

つまみが凹んでいる蓋だけではなく、
普通の蓋にもいつの間にか使うようになっていました。

見た目もなかなかかわいいです。