2012年6月26日火曜日

新しいスタイルのイギリス料理


イギリスの料理番組を最近よく録画して見ているのですが、たびたびChinese Five Spiceといった香辛料が登場しているのに気づきました。



セレブリティーシェフの番組がいくつかありますが、斬新な料理、シェフの人柄、インテリア、番組の撮り方、全部がとても素敵で同じ番組を何回見ても飽きません。

普段はオリジナルの英語版で見ているのですが、時々珍しい材料が出て来ると英語で分かっていても日本語では何て言うんだろう、と巻き戻し、日本語に音声変換して確認を。

日本で材料を買うのですから日本語名を知らないと。

Chinese Five Spiceとは聞いたことがなく確認をしたところ、中国の五香粉といったスパイスのことでした。

中華の香辛料にはあまり詳しくなく、いったいどのようなものか、と早速探してみたら普通にスーパーで売っているのですね。 わざわざ中華街に行かないとないのかなあ、なんてちょっと期待していたのですが...



五香粉を使うレシピは「クリスピーポークベリーのピーチサルサ添え」。
豚バラのブロックをオリエンタルな調味料でマリネし、オーブンで表面の脂がカリカリになるまで焼きます。それにさっぱりした、コリアンダーやライムなどが入っているピーチのサルサを添える一品です。




でも、桃なんてこの季節には当然ありません。

桃の代わりになるものを、とスーパーで見つけたのがメキシコ産のマンゴー。母が昔ロースカツのパパイヤソース添えを作ったことを思い出しました。南国の果物と豚肉は確かに相性が良いのですね。

サルサにはその他にコリアンダーとライム4つ分の絞り汁が必用。

でもコリアンダーは売り切れ。

材料が全然見つからないのでもうこの段階であきらめれば良いものの、どうしてもあきらめきれず、コリアンダーの代わりにミントを。

あとはライム。

一個が250円...
4つも必用かしら? 
それも、ソースのためのライムだけで1000円?
ちょっと悩んでしまいます。

桃がマンゴーになり、コリアンダーがミントになってしまったのだからライムはレモンでいいや!ともうここまで来たら...

ニンニク、塩、五香粉、醤油、唐辛子、サラダ脂でマリネした豚バラ肉をオーブンに入れて5分もしないうちに部屋中が五香粉のスパイシーな香りに。

懐かしい香りでした。

北京や上海の繁華街の香り、と言いたいところなのですがどちらにも行ったことがありません。

私的にはこれは懐かしいロンドンのチャイナタウンの香りです。

窓のところに吊るしてあるダック()やクリスピーポーク(かりかりの豚)を思い出させてくれる香り。

イギリス人シェフ達もきっとそのようなところから影響を受けたのでしょうか?

最近イギリスの料理番組にはまっているのはまさにそんな理由です。

シェフ達は伝統的なイギリス料理をベースに、世界中の影響を受けながら今の時代にぴったりの「新しいイギリス料理」を生み出しているから。


五香粉のほのかな風味がするポークの残りは辛しと一緒に翌日のビールのおつまみに。
このようなフレキシブルな料理が我が家には一番合っています!


2012年6月20日水曜日

3つの願い事

先日、友達に聞かれました、

「お金や時間、家の広さや間取りに制限されなく(あまり現実的ではありませんが)何でも良いので自分の家に関して3つだけ、魔法で願い事が叶えられるとしたら何を願う?」

新しい椅子、クッションカバーも欲しいし、あちらこちらをペイントしたいし、キッチンの棚の扉も変えたいし、やりたいことや欲しいものは山ほど。でもそれらはなんとか自分でできそう。

魔法で叶ってくれるのであれば何でも可能でありそうなので広さや形に関係なく、3つの願い事が叶うのであればやはりこの3つかな? 


① 大きなパントリー
でも、大きいと言っても人が一人入れるぐらいの広さで十分です。イメージとしては、イタリアの田舎にありそうな小さなグローサリーショップ。
天井から床まであるたくさんの棚に食料品や調理道具をきれいに並べられるような空間。全部のものをここに収められたら、キッチンがどれだけスッキリすることでしょう。




② ランドリールーム
洗濯/乾燥機はもちろん、手洗い用のシンクや服をたためる台もあり、洗濯からアイロンまでの全ての作業ができ場所があったら...


ついでに洗濯ものを簡単に外で干せるように、庭に続くドアも作ってしまいましょう。今の家には庭はありませんけど。でも想像と魔法の世界なのですから何でもできてしまいそう。


お掃除道具も収納でき、タオルやシーツなどを入れるリネンクローゼットもここに作ってしまいましょう。家事好きの女性にとっては夢のような部屋です。
嫌いであってもこのようなお部屋があれば、家事も楽しくなりそう。


③ ウォーク・スルー・クローゼット
ウォークインではなく、通り抜けができるウォークスル―のクローゼットです。

Sex & The Cityのキャリーの部屋や「デスパレートな妻達」のギャビーの家にあるような、寝室とバスルームの間にある、広い廊下のようなクローゼットに憧れます。バスルームにつながっているのが重要点。

服をかけるポール、たたんで入れられる棚や引き出し、ベルト、スカーフ、アクセサリー、帽子など、すべての置き場所がある美しいクローゼットです。

ディスプレイのように靴を並べられるラックも欲しいですね。
玄関に靴があるとどうしても靴を決めるのが後回しになってしまいがち。
いざ出かける直前に靴を履いてみると「ちょっと違う...」と思って脱いだり履いたりで遅刻になりそうになったこと、何度あったことでしょう。
下手すると服装全部が最初からやり直しになってしまうことも...

家の中で靴を履かないとしても、クローゼットで上から下まで身につけるものを選んで鏡の前でチェックできれば、現在のように寝室と玄関を何度も言ったり来たりする無駄な行動も必要なくなるはずです(こんなに優柔不断なのは私だけかもしれませんが)。

ウォークスルークローゼットは一年通しての服を全部入れられるぐらいのスペースは欲しいですね。例えば、右側は春夏、左は秋冬と分けて使いやすくしたり。衣替えの必用もなくなり、何を持っているか常に見えるので無駄の買い物もしなくなりそう。

そして大きな鏡はもちろん、どこかに大きな壁がけ時計も。準備しているうちに時間を忘れてしまうことが二度とないように。

そうそう、あと素敵な椅子も置くスペースもあれば...
疲れている時に服を脱ぎ捨てられるように。
想像の中のクローゼットはどんどん大きくなってきていきます。


 「なんだ〜。収納や家事関係ばっかりじゃない。もっと、アンティークの家具だとか、イギリスの壁紙とか、どこどこのキッチンとか言うかと思ったのに」 とあきれた友人。

確かに、アンティークや美しい壁紙や高級キッチンもいいな〜。
3つの願い事、ちょっともったいない使い方をしてしまったかしら?

どうしてまず最初に思いついたのがこの3つだったのでしょう。
非現実的な夢の世界の話の中であっても実用的な願い事をしてしまう自分にがっかりでした。

でも今また考え直してもやはり願い事は同じ。
万が一またいつか新たな3つの願い事ができる日がくれば、欲張ってその他のモノを願うことにしましょう。

2012年6月13日水曜日

オートクチュールなインテリア

フランスのテキスタイルデザイナー、シルビー・ジョンソンさんが来日され、仕事で3日間ご一緒させていただきました。

シルビーさんのファブリックは全て手作りでオーダーメイド。
珍しい素材と複数の素材を混ぜて織るのが彼女がデザインするファブリックの特徴。
クライアントさんと相談しながら色や素材の組み合わせ方、織り方などを決めてから作り始める、インテリアファブリックの「オートクチュール」と彼女は言っています。

家具やカーテンはもちろんですが、多くのファブリックは壁やパネル、間仕切りのスクリーンなど、建築材料として使うものが中心となっています。ドアや敷戸に貼ったりするのにもよく使われるているそうです。
  
初めて見るタイプのファブリックで私もびっくりと感動。素材もいいし、色も素敵で、質感も面白く、ずっと見ていても飽きません。

使っている素材は様々な種類のシルク、リネン、コットン。金や銀の糸。そしていちばん感激したのは馬の毛や竹、皮やコルク、そして銅。


馬の毛(茶色い部分)と黒のリネンを組み合わせたファブリックのサンプル。モンゴルの特殊な馬の尻尾の毛を使っているそう。2種類の全く違った素材を組み合わせるだけではなく、リネンの部分は「ヘリングボーン」といった特殊な織り方で織っています。一枚の布に使われている様々な素材、色、質感、テキスチャ― が深みを出していて本当に素敵です。壁紙代わりに、そしてパネルにもよく使われているそうです。


銅の糸は全部で20色。シルバー色と黒の銅で織った例です。


真っ赤な銅。壁の一部に使ったらかなりインパクトがありそう。


 馬の毛も感激しましたが、半分日本人として最も感激したのは竹で作ったファブリック。ほぐれたようなふわふわの糸がとても触り心地がよくて、ソファやクッションに使ったら面白そう。上の白っぽい方は銀の糸、下は金の糸がさりげなく混ざっているのですが、それがまた奥行き感を出していてとても素敵でした。


コルク(茶色い部分とリネンで織った布もとてもナチュラルな風合いで素敵でした。コルクは貼ってあるのではなく、ちゃんと細長い糸になっていてそれを織り機で織っているのです。


皮も糸のように細長くして織っています。ゴールドの糸を混ぜたゴージャスなファブリックです。


もう一つとても好きだったのがふさふさしたシルクとゴールドの糸のファブリック。

新しい発見、そして目の保養にもなった三日間でした。


2012年6月5日火曜日

絵を描く時には...


徳島での展示会は昨日で無事終了したそうです。
一週間が過ぎるのって早いですね!

書斎の雰囲気を再現
 展示会の初日には大勢の方々がいらっしゃってくださいました。
小さな画廊でしたが、橋本シャーンさんの色鮮やかな絵と森瑤子のゴージャズなアクセサリー類や帽子の展示でとても華やかの会場に。

一番ユニークな帽子を部屋の真ん中に展示
シャーンさんの個展を見るといつも自分も絵を描きたくなってしまいます。
彼の絵は、描くことが楽しいと思わせてくれるような絵なのです。勝手な解釈ですが、絵とは、人の感情を動かすことが大事ですよね。その解釈は人それぞれかもしれませんが、私の場合、シャーンさんの絵を見るといつもわくわくするのです。

徳島の阿波踊りの絵。
これを見て、近い将来には絶対に阿波踊りを見にまた徳島に来たい、と思いました。
会場にはシャーンさんのスケッチ教室の生徒さんも大勢いらっしゃいっていました。中には先生に見てもらおう、と最近描かれたスケッチをご持参されていた方も。シャーン先生はその絵を一枚一枚、丁寧に見ながら色々とコメントされていました。

結構厳しいこともたくさんおっしゃっていましたが、その厳しさが彼の優しさでもあることをとても感じられました。絵を上手になってもらいたい、これからもずっと絵を書き続けてもらいたい、といった彼の気持ちが伝わるような言葉ばかり。

このようなコメントもありました:

「下手な人はシンプルな絵を描くよりもごちゃごちゃした絵を描くこと。ひとつのモノに集中しすぎると下手なのがより目立ってしまうからたくさんのものをごちゃごちゃと描く方が良い」

ごちゃごちゃした絵でごまかす、ってことですか?
でも確かに、たくさんのものを積み重ねていくようにごちゃごちゃと描いていくと下手でもだんだんと絵がまとまっていくような気がします。それに、上手い下手は関係なく、見ていて楽しい絵になりそう。

「ゆっくり描くこと」
なるほど。ごちゃごちゃと色々なものを、ゆっくり、丁寧に描くことですね。

「手前はゆったり」
絵の手前側はゆったりめに描くことで奥行き感が出ます。

南仏、ニースの風景
シャーンさんの絵、確かにみんな手前がゆったりしています。

東京、日本橋。
どの絵にも、大胆にであったり、さりげなくであったりですが
ピンクが必ず使われているのが印象的。
シャーンさん、ピンクがとてもお似合いの男性です!
 「少しずつ絵にしていく」
少しずつ色々な要素を積み重ねていく、ということですね。

「日常的なものを入れる」
ただ風景だけではなく、人の心をぎゅっとつかむような日常的なものを加えるとより温かみのある絵になることです。

「確かな土台を」
「地面があり、その上に木があったり、建物がある。それを意識するだけでも大きく違ってくる」
その気持ちが絵に伝わるってことだと思います。

 シャーンさんのコメント、色々と考えさせてくれました。
これから絵を描くのがますます楽しくなりそう。
その楽しさを感じられるような絵が描けるといいですね。