2013年6月3日月曜日

From Yoron to Tuscany to Manchester and back...


与論島に住んでいる父は先月、
妹に会いにイタリアへ行ってきました。

与論島からトスカーナの田舎まではかなりの長旅。
帰り、与論に戻る前に一旦東京に寄った72歳の父もさすがにくたくた状態。
















イタリア滞在中の途中、生まれ故郷でもある
イギリスのマンチェスターにも脚を伸ばしたそう。
何年ぶりに古い友人達と会い、パブで生温いビールを飲み、
美味しいフィッシュ&チップスを思う存分食べることができ、
疲れていたにも関わらず、
日本に戻った時にはなんとなく若返った表情に。
トスカーナの空気とマンチェスターのビールが
いい充電になったようでした。

(与論島での生活で普段十分にのんびりと充電しているのでは、
と思いがちですが、小さな島に住むたった一人のイングランド人としては
やはりそれなりに色々あるようです。)

52年前にバックパックを背負って
世界旅行をするためにイギリスから旅立ち、
途中、東京で日本人女性と恋に落ち、
日本に住み着いた父ですが、
そのバックパッカー精神は未だに抜けていません。

その一つが荷造り。
どんな旅でもとにかく大きな荷物は嫌い、
いつも持って行くモノは必要最低限のみ。
「旅上手の第一条件とは荷物に振り回されないこと」
と、昔は何でもかんでもスーツケースに放り込む娘や妻を見ながら
言っていたのを覚えています。

荷物を持たない、というのは行きも帰りも同様。
そのため、父が旅行をしてもお土産というものには
一切期待を込めないように育ってきました。
(そもそも、元々イギリス人は旅のお土産を
買って来るような習慣はありませんが。)

期待もしなければがっかりもすることもありません。
その代わり、お土産話はいつもたっぷり。
旅をすると必ず面白い出逢いや出来事がある父なので
そのストーリーが何よりもの楽しみでした。

今回もそんな旅のエピソードや、
妹や姪達の近況報告を楽しみに父が日本に戻るのを待っていたら、
驚いたことに、父は小さな旅行かばんから
一つの袋を取り出すではありませんか。





















なんと、ティーバッグが160個もぎっしり詰まっている袋。
マンチェスターのおじいさんの家でいつも飲んでいたのと同じ紅茶。

それはもちろん、普通の人が飲む、
普通のスーパーで買う、普通の紅茶。
私にとっては最も嬉しいイギリス土産。
毎朝飲む濃いミルクティーにはこれしかありません。

初めての父からの旅のお土産。





















「いったいどうしたの?!」と驚いた私。
「ヘザ―はこういう紅茶がすごく好きなのが分かっているから」
とちょっと照れる父。

四十数年、旅のお土産を待った甲斐のある一言でした。