今日はミンスパイ作りの日でした。
ミンスパイとはイギリスのクリスマスには欠かせないスィーツ。
「ミンス」とは「ミンスミート」の略。かつてはお肉を入れていたことからこのような名前がついたそうですが今はブランデーなどのお酒やスパイスにつけ込んだフルーツとナッツのみじん切りが入ったパイを「ミンスパイ」と呼ぶようになりました。
クリスマスの12夜(1月6日まで)の間に一日一個を食べると幸運が訪れるといった伝説もあり、ミンスパイのないクリスマスなんてあり得ない、と多分ほとんどのイギリス人は言うことでしょう。
ミンスパイはクリスマスのデザートとはまた別のもの。イギリスのクリスマスデザートには同じくフルーツやナッツをブランデーにつけ込んで作る「クリスマス・プディング」といったお菓子があります(プディングと言ってもプリンではなく、どちらかというとフルーツのケーキに近いものです。イギリス人はデザートのことを「プディング」と呼ぶのです)。
小腹が空いたときにつまんだり、寝る前にブランデーと一緒にちょっと食べるおやつのようなものがミンスパイ。
ブラッキン家では子供の頃、クリスマスイブに寝る前に必ずミンスパイ一個とブランデーを一杯、手紙を添えてサンタさんのためにテーブルに置いていました。たった一晩で世界中を雪車で走り回って子供達にプレゼントを運んでいるサンタさんはきっと疲れてお腹も空いているに違いないから、と思っていました。まあ、良いプレゼントを残してくれるように、とごますりだったのかもしれませんね(笑)。 確かに翌朝にはミンスパイはなく、ブランデーグラスも空になっていました。そして紙ナプキンにはThank you! とサンタさんからのお礼のメッセージまであり、大喜びしていたことをよく覚えています。きっとイギリスではほとんどの家庭で同じようなことをしているのだと思いますが当時はサンタさんは毎年ブラッキン家のミンスパイを楽しみしてやってくる、と勝手に思い込んでいました!
ミンスパイに一番合うのがショートブレッド風の生地。瓶入りのミンスミートを包んでオーブンで焼きます。もちろん家庭によっては数週間前からフルーツとナッツをお酒につけ込んで作る人もいます。 出来上がったら粉砂糖を軽く振ったり、生クリームをつけて食べたり。早速今日、一個試食をしました。この味を味わうとクリスマスが始まったな、と毎年思います。