2012年7月26日木曜日

テマヒマかけて


東京ミッドタウン21-21 Design Sightで開催中の「テマヒマ展<東北の食と住>」に行ってきました。


素敵なモノ、美味しそうな食材がいっぱいの素晴らしい展示会でした。

でもただ素敵であったり美味しそうだけではありません。

それぞれのモノは職人さんの手によって、手間ひまをかけて作られています。
職人さんの想いや情熱、モノが持つ独特な伝統や歴史がいっぱい詰まっているものばかり。

最近、人とは「時間」の大切さを忘れてしまい、「便利」
というものについつい誘惑されてしまう時代になっています。

「便利」とは本当にそれほど良いものなのでしょうか?
何もかも時間や手間を省くような「コンビニエンスな暮らし」とはけして面白い暮らし方ではないような気がします。

「便利」を完全になくす必用はなくても、日々の暮らしのなかでの「便利」と「手間ひま」のバランスが大切です。


日本の素晴らしい伝統や文化を支えているのはこのような職人さん達なのだと思います。

出口の手前にある小さな空間には展示されているモノを作っている職人さん達ひとりひとりの手の写真が並んであります。

まるでモノ作りのストーリーを語るような手がいっぱい。それぞれに表情があり、ついつい立ち止まって、ひとつひとつの手にお礼を言いたくなります。


家に戻ったらちょっと前に買ったばかりの南部鉄器のティーポットで紅茶を入れました。

今日の紅茶、特別に美味しかったです。





2012年7月17日火曜日

夏を感じてきた日々



部屋に木漏れ日がさす朝のひと時が一日の中で一番好きな時間。
わずかな時間ですが、光の変化を見ているのがとても気持ちがいい。
この小さな木漏れ日だけが何となく周りと別世界のように見えます。
晴れた日の朝、一瞬だけその小さな別世界の中に入って朝の光を楽しむことができるとなんとなく、今日は特別に良い日になりそうだな、と思うのです。


その後、光は様々違ったな表情を部屋に与えながら
一日かけて変化していきます。
そして夕方になるとこんどはキッチン側に強い日差しが入って来るのです。
暑いけれど、なんとなく落ち着くような気持ちのよい光。
せかせかとではなく、本当はジントニックでも飲みながら、時間をかけながらゆっくり夕食の支度をしたくなるような光でもあります。

レースカーテンがないのは一日を通して光の変化を楽しむためがひとつの理由。
毎朝シェードを開けた時に部屋は一気に広く、開放的になり、
日差しで注がれる瞬間がたまらないのです。

エアコンが苦手なんため、家にいる時は窓は開けたままに。
そのため、夜寝る前まではシェードを閉めないことがほとんど。

幸いなことにリビングダイニングが2階にあるからできることです。
照明がついていても、窓の外の大きな木がほとんど部屋を隠しています。

もし見ている人がいても
「あの家の人達、なんていつも楽しそうなんでしょう」
「なんて美味しそうなものを食べているんでしょう」
と思ってくれれば嬉しいのですが...
ベルギーの街中の住宅街でも夜になってもカーテンを閉めないで
中が丸見えのおうちはたくさん。 
そんな家を通り過ぎながら同じように思うことがよくありました。

夜もだんだんと暑くなってきました。
つい先日までは掛け布団を完全に片付けてしまうのも少々不安でした。
暑くて脚で蹴り落としてしまうこともあれば、
やっぱりちょっと涼しいからと言って再び掛け直す動作の繰り返しの、
まだ完全に夏ではないのかなあ、と思わせる夜が続いていました。

でもそんな夜もしばらくはなさそう、と思って布団を片づけて代わりに大好きなリネンのブランケットが登場。触感がひんやりしていてとても気持ちが良い。


大きなベッドのブランケットをひとつ変えただけで
部屋も急に夏のベッドルームへと変身。

大したことはしなくても、少しずつ家の中が夏らしくなっていく時期です。




2012年7月9日月曜日

やっぱりカードを送りたい...


最近、お誕生日などのお祝い事のメッセージをついついメールで済ませてしまうことが悲しいことに、当たり前のようになってきてしまいました。

家にはバースデーカードやクリスマスカード、Thank Youカードの他、素敵なポストカードも常に置いてあり、引き出しを開けて一枚取り出し、メッセージを書いて、封筒に住所を書き、同じ引き出しに入っている切手を一枚貼り、夕方か翌朝の犬の散歩のついでにでもポストに入れれば済むことなのです。


それほど手間のかかることではないのに...

でも、メールがあまりにも当たり前になってしまい、カードを書く機会がだんだんと少なくなってきてしまいました。

それこそ、お誕生日のアプリを使ったり、スマートフォンのカレンダーのアラームをお誕生日の数日前に設定できる時代にもなったので、より間に合うようにカードも出しやすくなっているはずなのにも関わらず、当日メールになってしまうのは何故なのでしょう。

ひとつだけ例外はお礼状。
マナーとしてはこれだけはメールで済ませられないこともあるのでThank You  カードは必ず何枚かは引き出しに入れておき、常に買い足すようにしています。
いつ必用になるかわかりませんので。



でもThank You カードを買うついでに、素敵なバースデイカードやギフトカードを見つけるとついつい一緒に買ってしまいます。

どうすればカードをもっと使うようになるかと考え、まずはカードが入った引き出しを整理することに。

さまざまなイベント用の二つ折りカードの他にポストカードが山ほど。
でもよく見ると、人に送れるようなカードの他に、あまり送りたくないようなカードがたくさん混ざっているのです。

あまり送りたくないようなカードとは、何かのイベントでもらったり、旅行先や美術館で記念に買った絵はがきなど。旅先から出すのはともかく、今さら人に送るわけにはいかない。ただ自分の思い出のためにとってあるだけなのです。

この2種類を一緒にしていたのがひとつの間違いだったのかもしれません。
カードは「使う」ことよりも「取っておく」といった考えで引き出しに入れていたことに気付きました。

取っておくためには引き出しにしまっておくのではなく、使うためにもっと「アクティブ」な収納方法が必用。


 捨てるか捨てないかとしばらく迷っていたA5サイズの古いシステム手帖に、クリアーポケットに種類ごとに分けてカードを収納することにしました。

ジッパー付きのポケットには切手を。


もともとはシステム手帖でしたのでもちろん、後ろにはアドレス帳もあります。

郵便関係をまとめたシステム手帖は我が家自慢のMini Post Office(ミニ郵便局)になりました。

いつも使っている他のノートや手帖と一緒に置いておけばもうカードの存在はもう忘れることはないでしょう。

2012年7月2日月曜日

朝の大切な時間


毎朝、朝ご飯を食べ、犬の散歩を済ませたところで
毎日楽しみにしている自分だけの大切な一時間が始まります。

リビングにヨガマットを敷き、音楽をかけ、
真ん中で結んだ2本のタオルを取り出してから始まるこの時間。


「深層筋メソッド」タイムです。

昨年の4月に雑誌の企画をきっかけに、
中辻正先生のご指導で始めたエクササイズ。
始めてから4ヶ月で5キロ減り、長年苦しんでいた腰痛も
ぴたっとなくなった素晴らしいエクササイズ方法なのです。

深層筋メソッドとは深い部分にある筋肉をほぐし、
代謝を良くする圧迫マッサージ方法。
まずは特別なストレッチ方法「ゆるストレッチ」で筋肉をゆるめ、
そしてその部分をタオルの結び目を使って圧迫マッサージを。

深層筋をほぐすことで代謝が上がり、痩せやすくなり、
アンチエージングにもなると言われています。
肩こりや腰痛の改善にも効果的。

痛気持ちよい場所を見つけ、そこを圧迫してからグリグリとマッサージ。
気持ちが良くて、終わると体もとてもすっきりし、
何だか力強くなったような気分に。
一日のスタートにはもう欠かせない習慣になりました。

先日、中辻先生より新しく開発された、
圧迫マッサージ用の「リニュー・ボール」が送られてきました。




タオルの結び目とほぼ同じ大きさですが、
もっとしっかりしていてやや固めの、底の部分が平になっている「ボール」。


これはかなり効きそうです。
朝の自分だけの大切な一時間がますます楽しみになりました。






2012年6月26日火曜日

新しいスタイルのイギリス料理


イギリスの料理番組を最近よく録画して見ているのですが、たびたびChinese Five Spiceといった香辛料が登場しているのに気づきました。



セレブリティーシェフの番組がいくつかありますが、斬新な料理、シェフの人柄、インテリア、番組の撮り方、全部がとても素敵で同じ番組を何回見ても飽きません。

普段はオリジナルの英語版で見ているのですが、時々珍しい材料が出て来ると英語で分かっていても日本語では何て言うんだろう、と巻き戻し、日本語に音声変換して確認を。

日本で材料を買うのですから日本語名を知らないと。

Chinese Five Spiceとは聞いたことがなく確認をしたところ、中国の五香粉といったスパイスのことでした。

中華の香辛料にはあまり詳しくなく、いったいどのようなものか、と早速探してみたら普通にスーパーで売っているのですね。 わざわざ中華街に行かないとないのかなあ、なんてちょっと期待していたのですが...



五香粉を使うレシピは「クリスピーポークベリーのピーチサルサ添え」。
豚バラのブロックをオリエンタルな調味料でマリネし、オーブンで表面の脂がカリカリになるまで焼きます。それにさっぱりした、コリアンダーやライムなどが入っているピーチのサルサを添える一品です。




でも、桃なんてこの季節には当然ありません。

桃の代わりになるものを、とスーパーで見つけたのがメキシコ産のマンゴー。母が昔ロースカツのパパイヤソース添えを作ったことを思い出しました。南国の果物と豚肉は確かに相性が良いのですね。

サルサにはその他にコリアンダーとライム4つ分の絞り汁が必用。

でもコリアンダーは売り切れ。

材料が全然見つからないのでもうこの段階であきらめれば良いものの、どうしてもあきらめきれず、コリアンダーの代わりにミントを。

あとはライム。

一個が250円...
4つも必用かしら? 
それも、ソースのためのライムだけで1000円?
ちょっと悩んでしまいます。

桃がマンゴーになり、コリアンダーがミントになってしまったのだからライムはレモンでいいや!ともうここまで来たら...

ニンニク、塩、五香粉、醤油、唐辛子、サラダ脂でマリネした豚バラ肉をオーブンに入れて5分もしないうちに部屋中が五香粉のスパイシーな香りに。

懐かしい香りでした。

北京や上海の繁華街の香り、と言いたいところなのですがどちらにも行ったことがありません。

私的にはこれは懐かしいロンドンのチャイナタウンの香りです。

窓のところに吊るしてあるダック()やクリスピーポーク(かりかりの豚)を思い出させてくれる香り。

イギリス人シェフ達もきっとそのようなところから影響を受けたのでしょうか?

最近イギリスの料理番組にはまっているのはまさにそんな理由です。

シェフ達は伝統的なイギリス料理をベースに、世界中の影響を受けながら今の時代にぴったりの「新しいイギリス料理」を生み出しているから。


五香粉のほのかな風味がするポークの残りは辛しと一緒に翌日のビールのおつまみに。
このようなフレキシブルな料理が我が家には一番合っています!


2012年6月20日水曜日

3つの願い事

先日、友達に聞かれました、

「お金や時間、家の広さや間取りに制限されなく(あまり現実的ではありませんが)何でも良いので自分の家に関して3つだけ、魔法で願い事が叶えられるとしたら何を願う?」

新しい椅子、クッションカバーも欲しいし、あちらこちらをペイントしたいし、キッチンの棚の扉も変えたいし、やりたいことや欲しいものは山ほど。でもそれらはなんとか自分でできそう。

魔法で叶ってくれるのであれば何でも可能でありそうなので広さや形に関係なく、3つの願い事が叶うのであればやはりこの3つかな? 


① 大きなパントリー
でも、大きいと言っても人が一人入れるぐらいの広さで十分です。イメージとしては、イタリアの田舎にありそうな小さなグローサリーショップ。
天井から床まであるたくさんの棚に食料品や調理道具をきれいに並べられるような空間。全部のものをここに収められたら、キッチンがどれだけスッキリすることでしょう。




② ランドリールーム
洗濯/乾燥機はもちろん、手洗い用のシンクや服をたためる台もあり、洗濯からアイロンまでの全ての作業ができ場所があったら...


ついでに洗濯ものを簡単に外で干せるように、庭に続くドアも作ってしまいましょう。今の家には庭はありませんけど。でも想像と魔法の世界なのですから何でもできてしまいそう。


お掃除道具も収納でき、タオルやシーツなどを入れるリネンクローゼットもここに作ってしまいましょう。家事好きの女性にとっては夢のような部屋です。
嫌いであってもこのようなお部屋があれば、家事も楽しくなりそう。


③ ウォーク・スルー・クローゼット
ウォークインではなく、通り抜けができるウォークスル―のクローゼットです。

Sex & The Cityのキャリーの部屋や「デスパレートな妻達」のギャビーの家にあるような、寝室とバスルームの間にある、広い廊下のようなクローゼットに憧れます。バスルームにつながっているのが重要点。

服をかけるポール、たたんで入れられる棚や引き出し、ベルト、スカーフ、アクセサリー、帽子など、すべての置き場所がある美しいクローゼットです。

ディスプレイのように靴を並べられるラックも欲しいですね。
玄関に靴があるとどうしても靴を決めるのが後回しになってしまいがち。
いざ出かける直前に靴を履いてみると「ちょっと違う...」と思って脱いだり履いたりで遅刻になりそうになったこと、何度あったことでしょう。
下手すると服装全部が最初からやり直しになってしまうことも...

家の中で靴を履かないとしても、クローゼットで上から下まで身につけるものを選んで鏡の前でチェックできれば、現在のように寝室と玄関を何度も言ったり来たりする無駄な行動も必要なくなるはずです(こんなに優柔不断なのは私だけかもしれませんが)。

ウォークスルークローゼットは一年通しての服を全部入れられるぐらいのスペースは欲しいですね。例えば、右側は春夏、左は秋冬と分けて使いやすくしたり。衣替えの必用もなくなり、何を持っているか常に見えるので無駄の買い物もしなくなりそう。

そして大きな鏡はもちろん、どこかに大きな壁がけ時計も。準備しているうちに時間を忘れてしまうことが二度とないように。

そうそう、あと素敵な椅子も置くスペースもあれば...
疲れている時に服を脱ぎ捨てられるように。
想像の中のクローゼットはどんどん大きくなってきていきます。


 「なんだ〜。収納や家事関係ばっかりじゃない。もっと、アンティークの家具だとか、イギリスの壁紙とか、どこどこのキッチンとか言うかと思ったのに」 とあきれた友人。

確かに、アンティークや美しい壁紙や高級キッチンもいいな〜。
3つの願い事、ちょっともったいない使い方をしてしまったかしら?

どうしてまず最初に思いついたのがこの3つだったのでしょう。
非現実的な夢の世界の話の中であっても実用的な願い事をしてしまう自分にがっかりでした。

でも今また考え直してもやはり願い事は同じ。
万が一またいつか新たな3つの願い事ができる日がくれば、欲張ってその他のモノを願うことにしましょう。

2012年6月13日水曜日

オートクチュールなインテリア

フランスのテキスタイルデザイナー、シルビー・ジョンソンさんが来日され、仕事で3日間ご一緒させていただきました。

シルビーさんのファブリックは全て手作りでオーダーメイド。
珍しい素材と複数の素材を混ぜて織るのが彼女がデザインするファブリックの特徴。
クライアントさんと相談しながら色や素材の組み合わせ方、織り方などを決めてから作り始める、インテリアファブリックの「オートクチュール」と彼女は言っています。

家具やカーテンはもちろんですが、多くのファブリックは壁やパネル、間仕切りのスクリーンなど、建築材料として使うものが中心となっています。ドアや敷戸に貼ったりするのにもよく使われるているそうです。
  
初めて見るタイプのファブリックで私もびっくりと感動。素材もいいし、色も素敵で、質感も面白く、ずっと見ていても飽きません。

使っている素材は様々な種類のシルク、リネン、コットン。金や銀の糸。そしていちばん感激したのは馬の毛や竹、皮やコルク、そして銅。


馬の毛(茶色い部分)と黒のリネンを組み合わせたファブリックのサンプル。モンゴルの特殊な馬の尻尾の毛を使っているそう。2種類の全く違った素材を組み合わせるだけではなく、リネンの部分は「ヘリングボーン」といった特殊な織り方で織っています。一枚の布に使われている様々な素材、色、質感、テキスチャ― が深みを出していて本当に素敵です。壁紙代わりに、そしてパネルにもよく使われているそうです。


銅の糸は全部で20色。シルバー色と黒の銅で織った例です。


真っ赤な銅。壁の一部に使ったらかなりインパクトがありそう。


 馬の毛も感激しましたが、半分日本人として最も感激したのは竹で作ったファブリック。ほぐれたようなふわふわの糸がとても触り心地がよくて、ソファやクッションに使ったら面白そう。上の白っぽい方は銀の糸、下は金の糸がさりげなく混ざっているのですが、それがまた奥行き感を出していてとても素敵でした。


コルク(茶色い部分とリネンで織った布もとてもナチュラルな風合いで素敵でした。コルクは貼ってあるのではなく、ちゃんと細長い糸になっていてそれを織り機で織っているのです。


皮も糸のように細長くして織っています。ゴールドの糸を混ぜたゴージャスなファブリックです。


もう一つとても好きだったのがふさふさしたシルクとゴールドの糸のファブリック。

新しい発見、そして目の保養にもなった三日間でした。