子供の頃からモノの整理が好きで、勝手に家のあらゆる場所からモノを取り出してはまた入れ直したり、別の場所に戻すようなことをして家族によく迷惑をかけていたことでしょう。
それって「整理している」と言えないかもしれませんね。自分ではそのつもりでしたが。
最もいじるのが好きだったのが調理道具が入った引き出し。お玉からめん棒まで、あらゆる道具がぐっちゃぐちゃに入っていました。何かを取り出そうとすると必ず他の何かに引っかかったり、ガチャガチャとかき混ぜるようにものを動かしながら探しているものを見つけるような状態でした。
それを、底にきれいな紙を敷き、厚紙など家にあるものを使って仕切りを作ったり、きれいに並べ直すのが好きでした。どうしてか分かりません。道具が好きだったのと、あとは自己満足だったのでしょう。
でもまだ料理もしない年齢だったのでほとんどが何のための道具なのかも良く分からないまま整理していたため、母にとっては一見きれいに見えても結局は使い勝手が悪かったのか、あっという間にまたぐちゃぐちゃな状態に戻っていました。
大人になり、自分でも料理をするようになると子供の頃のあの引き出しのようには絶対にしない、と誓いました。けれども料理をするのが好きになればなるほど道具にも興味を持ち、ついつい買ってしまうように...
なるほど。こういうことか、と母の引き出しが何故あんな状態だったのかになっとく。
数年前に一度整理をした時に全ての道具を取り出し、テーブルに並べたところ、飽きれたことに同じような物が複数もあるものがいくつもあったのです。なぜ缶切りが4つも必用なのか。ワインなんて一度に1本しか開けられないので何故3つもオープナーがあるのか。ヘラやお玉も。コンロ口は3つしかないので一度に使う数だって限られているし。
その時に余分なものは全て捨て、引き出しの中はかなりすっきりしました。
まるで窒息しそうだった道具達が再び息ができるように。
そして昔と違って今は全ての道具が何のためのものなのか良く分かっているので機能別に分けて使い勝手もパーフェクトに。
それに、人に見せるわけでもないし....
と言いながらも見せちゃいます。
引き出しの幅が狭いので道具を3カ所に分かりやすく分けています。
主に機能別に、開ける、切る、持つ、仕分けする、の4つのグループに。
残りは「その他」の引き出しに。
やっぱりぐちゃぐちゃに見えますね...
でも、けして言い訳ではないのですが、英語ではこれをorganized chaosと言うのです。
一見乱雑に見えても実は整理されていること。Organized = 整理されている。Chaos =混乱。
ちょっと矛盾しているような...
そんな我が家でのorganized chaosが調理器具の引き出しかもしれません。
家中がそうだと困るけれど、引き出しの一個か二個、organized chaosであっても良いのではないでしょうか。「暮らしている」って感じがして。