ベルギーでインテリアデザイン事務所に努めていた頃、
古い家のリノーベーションを手伝うことが多く、
ヨーロッパなので工事現場のあちらこちらにレンガは落ちているのは
珍しくないのですが、このレンガはとくに古く、
一部溶けてガラス状になっているのが面白くて
ものすごく歴史を感じ、感動をしたのをよく覚えています。
(実際、科学的にどういった現象が起きたかはわからないのですが)
英語では If walls could talk − 壁が話すことができたら、
とことわざのようなものがあります。
壁が話すことができたら、きっと色々なことを教えてくれるのでしょう、
どれだけ謎が解けるか、と言った意味です。
この場合、if bricks could talk − レンガが話すことができたら、
アントワープのあの古い家での600年間の面白お話がたくさん聞けそう。
600年近くの間、重たい建物を支えてきたこのレンガは、
今はリタイヤし、東京の家の本棚の中でゆっくり眠っています。
我家にある、最も古いアンティークです。