2016年3月25日金曜日

ブリュッセルでおきたこと




10年間住んでいた、そして一時は自分の職場でもあったブリュッセルの空港、
そして中心街の地下鉄でとんでもないテロの被害になってしまい、
胸が痛む毎日です。

SNSのおかげもあって
ベルギーに住む友人たちの無事を知ることができたと同時に、
たとえ軽症ではあったとは言われていても、
知り合いの方が実際に地下鉄の現場で被害にあったことも知り
さらにショックでした。

テロが怖いといった気持ちよりも、
テロなんかには負けてられない、といった想いが
「大丈夫?」とメールやSNSで連絡した友達から返ってきた勇気ある言葉。

でも心は病んでいるのに違いありません。


楽しいことがたくさんあって、美味しいものをたくさん食べて、
様々な人たちと出会ったベルギー。
今の自分がいるのも、ベルギーという国で暮らし、
素晴らしいインテリアデザイン事務所で働くことができ、
その事務所の素晴らしいセンスの上司たちの仕事ぶりを見たり、
いろいろなことを教えてくれたベルギーの友人たち、そして
大人の女性としての最初の磨きを入れてくれた、
「ベルギーの母」とも呼べるある女性との出会いがあったからこそです。

美味しい物をたくさん食べさせてもらったり、
美しい物を見させてもらったり、
暮らしの大切さを教えてくれたり、
自分にはまだ無理と思っていたことにチャレンジをさせてくれた人たちです。



辛い離婚や、3ヶ月も寝たきりになってしまった椎間板ヘルニアなど、
嫌なこともありました。
でもそういったことも、家族もいない、
言葉も中途半端にしか話せない国での出来事であっても
自分一人でなんとか乗り越えられたのもベルギーでのこと。

今こうやって振り返ると、自分は思っている以上に意外と強いのかも、
とふと思いました。

偶然ベルギーに駐在していた時に今の夫と出会ったのもブリュッセルでのこと。

そして彼と日本へに帰り、
今、私はここにいます。

この数日間、2人でただ呆然とテレビのニュースを見てきました。

いつか、それも早く、またベルギーに行きたいね、と言いながら。

美味しい物を食べて、友達と再会して、
2人でデートした懐かしい場所へ行きたいね、と。

早く帰りたい。
自分はベルギー人でもないのに、
突然ホームシックになったような気持ちに。

ベルギーに住む人々に早くまた晴れの日が戻って来ることを心より祈っています。
そしてどこの国であっても、こんなひどいことをするのはもうやめてほしい、と。