2019年5月9日木曜日

カーテンが開けっ放しの暮らし


Hello and Welcome!

Home Life Styleのヘザー ブラッキンです。
イギリス人の父、日本での暮らし、長年のヨーロッパ生活、
インテリアデザイナーとしての仕事から得た
インテリアのこと、収納のこと、暮らし全般のことを発信しています。

ぜひこちらもどうぞ ♫
....................................................................

自宅の窓の外には大きな桜の木があります。
桜の季節になるとまるでピンクの雲が窓の外に浮かんでいるようで
2階にあるリビングのソファからお花見が楽しめる最高なロケーションだです。



そもそもこの住まいを選んだ決め手のひとつがこの桜の木でした。

桜の時期が終わると窓の外は徐々にほぼ一面緑に変わっていきます。
これもまた大きな楽しみ。
冬の間は道路や建物しか見えない殺風景な風景ですが、
春になればまるで違う場所に移り住んだようなこの窓の外。

昔からカーテンやシェードを閉める習慣がなく、
この時期になると寝室以外はシェードはほぼ開けっ放しの状態。
2階のリビングも、この大きな木のおかげで
部屋が丸見えにならないこともあり
暗くなっても開いたまま食事をしたり、
ソファでくつろいだりします。
2階にあること、そして大きな木のおかげともいえるでしょう。



ベルギーに住んでいた頃、
あるオランダ人の友人がこんなことを言っていました。
オランダではカーテンは閉めない」

家の中が見られて恥ずかしいと言った発想はなく、
逆に見せたいからだと言っていました。
地上階の通りに面した家の窓の中も通行人には丸見え。
日本人にとってはちょっと不思議な光景で「見てはいけない」と
ついつい目をそらしてしまうのではないでしょうか?

その友人によるとカーテンを閉めないのは、
隠すことがないからと言った意思表示でもあるそうです。
そして、家の中をどれだけキレイにしているか見てもらいたいという説も。
こんなにキレイにしているのよ、ほら、見てちょうだい」

それだけ自分の住まいに
誇りを持っているからこそできることだと思います。

また、冬は比較的日が短い冬の間はできるだけ
自然光を取り入れたいこともあるのと、
中からの景色を遮ってしまうこともあります。
シアカーテン(レースカーテン)をつけない家も多いです。
(それは我が家も一緒!)

この話を聞いてからはオランダへ行くたんびに
他人の家の中を覗くようになりました。
ベルギーと隣国同士であるため、
車でちょっと走れば国境をすぐそこに。
当時住んでいたアントワークからですと、
東京から横浜へ行くみたいな感覚で
週末は日帰りのプチ海外旅行もよく楽しんでいました。

「見てもらいたいのであればじっくり見てあげましょう」と
通りがかりに丸見えの部屋の中をちらちら見る私。
(そこでじーっと立ち止まって覗き込むような
怪しいことは決してしてしませんのでご安心を)

そして確かに、どの家もキレイ。
余計なものは出ていないし、
インテリアもオシャレ、
とてもシンプルで丁寧な暮らしをしているのがわかります。


Photo by Quang Nguyen Vinh from Pexels

夜になってもカーテンが開いたまま、
窓際のテーブルで家族で食事をしていたり、
ソファで本を読んでいる姿が。

外を歩いているとまるで窓から浮き出るような照明の
優しい光がまた絵になります。
なんだかとてもほっこりしたような光景。
アンデルセンの「マッチ売りの少女」の物語を
ついつい思い出してしまうような。
北ヨーロッパ独特の光景かもしれませんね。

そんな暮らしの風景を誰に見られても恥ずかしがらない
自由な気持ちで生きるオランダ人が私は好きです。

人にどう思われているか気にしない、
自信を持って伸び伸びと暮らすことこそ、
本当に暮らしを愉しむことなのでしょう。

東京のような大都会では防犯のことを考えてしまうし、
そこまで丸見えにする自信もありません。

でも、この大きな木のおかげで夜でもカーテンを閉めずに
この良い季節が昼も夜も満喫できています。

窓に面した机に座っている時、
通りがかりの人とは時々目が合いますけどれどね。
きっととても不思議な光景だと思いながら
我が家を通り過ぎるのでしょう。