2021年1月21日木曜日

紅茶を通してコミュニケーションする祖父


Hello & Welcome!
Home Life Style のヘザー ブラッキンです。
生まれ育ちは日本。父はイギリス人、母は日本人。

東京を拠点に住まいのインテリアのご提案、収納スペースのデザイン、
インテリアスタイリングの仕事をしているホームスタイリストです。

このブログではインテリアをはじめに、暮らしをトピックとしたことをアップしています。
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ティーポットで紅茶をいれるときは、
ミルクはカップに先に入れてから紅茶を注いでいます。

イギリスではミルクは先か後かとたくさん議論はありますが、
ただ単にイギリスの祖父の入れ方を見て真似するように。


ミルクが先に入っている上から紅茶を注ぐ時に色がだんだん変わっていくのが子供の頃、
すごく楽しく、わくわくしながら見ていました。

そんな興奮する私たちを見た祖父の嬉しそうな表情は忘れません。
ティータイムのこのちょっとしたパフォーマンスはそう頻繁に会えなかった
祖父と孫との間の特別な時間でもありました。
イギリスの田舎で育ち、マンチェスター近郊から離れて暮らしたことのない祖父は
口数も少なく、遠い日本から遊びにきた半分日本人の血が混ざった異文化で育つ孫たちと
どうコミュニケーションをとったら良いのか戸惑いもありました。
離れている時はたくさん手紙のやり取りはしたものの、
いざ会うとちょっとぎこちない雰囲気に。

そんな雰囲気を和らげてくれたのが紅茶でした。

ミルクの色が徐々に濃く変わっていくのをじーっとカップの中を見つめる孫たちを見ながら
静かに紅茶注ぐおじいちゃん。

注ぎ終えると紅茶にお砂糖を入れ、ゆっくりとスプーンで混ぜました。
全ての動きがまるでスローモーションのようなゆっくりさ。
そしてスプーンでカップの縁を軽く叩く音。
「たんたかたんたん...」
「...ったったっ」
と最後にスプーンをソーサーに置き、私たちと目を合わせてニコッと微笑みました。

それが祖父の愛情表現。
ウェルカムな気持ちの伝え方だったのでしょう。
言葉のいらないコミュニケーションでした。

だから私は紅茶を入れる前にミルクを入れるのかもしれません。
祖父のレガシーを残したくて。

そんなシーンを再現した動画をインスタにアップしましたので
(プロフィールのリールからも見れます)



ミルクを先に入れるのは、紅茶の熱でミルクも徐々に温まり、
美味しくなるとも言われています。

でもそれはごく一説。

庶民はミルクを先に、貴族は後、なんて説も。
昔、貴族が使っていたティーカップは質が良く、熱々の紅茶に耐えらたけれど、庶民が使っていたクオリティーの低いカップは熱々の紅茶を直接注ぐとパキッと割れてしまうこともあったから先に冷たいミルクを入れてから紅茶を注いだといった話もあります。

何が本当かわかりませんが、どうも一つ確かのは
ミルクを先にか後からは階級で別れているようです。

ちなみにエリザベス女王は後からミルクを入れられるそうです。

でも、だからと言って後から入れるのが上品、先に入れるのは邪道だとか、
そのようなことはないと思います。
文化や伝統の問題なので。
そして好みも。

私流の結論でいけば、自分が美味しいと思うようにいれるのが正しい方法ではないかな。

ちなみに私の祖父は北イングランドのマンチェスターの郊外の普通の人が住む、
テラスハウスにずっと住み、父もそこで育ちました。
祖父は建築士。
戦後で街を立て直すので大変だった頃、毎日郊外から
マンチェスターにあった勤務先まで通っていました。

紅茶のミルクは先に入れる派でした。
ティーポットは何十年も愛用していた年季の入ったブラウンベティー。

贅沢を嫌う祖父。
典型的なイギリスの労働階級の人の暮らしでした。
自分の暮らし方に誇りを持ち、時にはプライドが高すぎて父が困ったことも。
そして完璧なジェントルマンでした。


私もテラスハウスのような形状の家に住んでいます。
職業はインテリアデザイナー。
紅茶はポットでいれる時は先にミルクを入れる庶民派です。

贅沢はものやお金ではなく、気持ちの余裕だと信じています。

やっぱり祖父DNAが濃いのかもしれません。

ブラウンベティのティーポットも愛用していますが、
一人か2人の時はお気に入りの南部鉄瓶のポットを使っています。

保守的な祖父が見たら驚くかもしれませんが、
これは同じぐらい大切な私の半分日本人側のDNAですね。
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