2012年10月23日火曜日

野菜だけを楽しむ日


今週はどんな珍しい野菜があるかと楽しみで毎週土曜の朝は
家の近くにある産地直送の野菜市に行くのが最近のパターンに。

全国だけではなく、
新鮮な野菜が地元の畑からもどんどん運ばれてくるのも魅力的。

朝9時に行っても、一時間後に戻ると
また新たなものが置いてあるので 一日何回も行きたいぐらい。
それに、作っている人の顔が見られると野菜もさらに美味しいですよね。

普通のスーパーや八百屋さんにはない
珍しい野菜がよく置いてあるのが市場の面白さ。
お店の人や野菜を届けに来た農家の方達に
美味しい食べ方を訪ねたり、
おしゃべりをするのもここでの買い物の楽しみでもあります。
お店の人とのコミュニケーションの大切さを思い出させてくれます。

今週の珍しいアイテムは黒キャベツとセロリアック。





















黒キャベツと言えば思い浮かぶのがリボリータ。
白インゲンと黒キャベツのスープにパンをひたひたに浸した
トスカーナ州のお料理です。
フィレンツェの近くに住む妹の大好物でもあり、
遊びに行った時には必ず一度は食べに行きます。
しばらく食べていなかったので黒キャベツの発見はとても嬉しかったです。

リボリータとは「再度茹でる」の意味。
もともとは残り物の野菜やスープや
固くなってしまった古いパンを使うお料理だったそう。
スープと言ってもボリューム的には十分食事になります。
















古いパンはなかったのでしっかりめのパンをトースターで焼き、
器の底に並べ、上からリボリータをかけ、
仕上げにオリーブオイルを上からかけて出来上がり。





















そしてもう一つの野菜、
セロリアックとは名前も香りもセロリーに似ている根野菜。
大好きなナイジェル・スレイターさんのレシピをベースに
リンゴを加えてクリーミーサラダの前菜に。
味も何となくセロリー、でも食感はしっかりしていて少し苦め。
甘いリンゴと最高なマッチングでした。
ナイジェルさんのクリーミーなマスタードのドレッシングも
またとても美味しかったです。
















最近はこのように、野菜オンリーのメニューを楽しむ日も増えました。
肉や魚は完全にやめられなくても、たまにはベジタリアンもいいですね。



2012年10月17日水曜日

My Little Hero


先日の夜、愛犬ベイリーの様子が変であるのに気がつきました。
1階の部屋でパソコンを見ていた時に
玄関から「うー、うー」と低い声が。
見に行くとベイリーが辛そうに横たわっていたのです。
肝臓の病気を持っているため、以前にも何回も
貧血を繰り返していたものの、この10ヶ月間は
何も無かったので安心はしていました。
とうとうまた来たか、と恐る恐る歯茎や下瞼の内側の色をチェック。
やっぱり白い。体温もいつもよりかなり低そう。

夜間救急の動物病院へ駆けつけたところ、やっぱり貧血でした。
しかもかなり数値が悪く、この状態では輸血が必用と言われ
あまりのショックに私までもが貧血になりそうな気分に。
でもベイリーのためにしっかりしなければいけない。
冷静を取り戻して早速入院の手続きを。

犬の輸血とは以前にも何となく話しは聞いたことはありますが
実際に自分が関わることだとは思ったことはありませんでした。
輸血犬として登録されているワンちゃんもいるのです。

しかし我が家の場合、同じ犬種でほぼ同じ大きさ、
しかも遠い親戚でながらも一応血がつながっている
ボニーがいるではありませんか。





















やんちゃでおっちょこちょいであっても
健康と体力に関しては完璧なボニー。
若くて健康、同居犬であり、同じ犬種、遠い親戚でもあるボニーちゃん
はベイリーにとっては最適な輸血犬。
もちろん血液検査はありますが、ほぼ確実だと言われました。


辛い思いをしているベイリーを病院に残して帰るのは
胸が痛みましたが信頼できる先生やスタッフの方々
と一緒ということで何となく安心もできました。

家に帰るとボニーがいつもとは違ってちょっと寂しげな様子。
もともと可愛くてたまらないボニー。
その日は通常の何千倍も可愛いような...

「あなたは明日、一生の間での一番大きなお仕事をするのよ」
と抱きしめながら説明。 
本人はもちろん何を言っているのか、なぜいつも以上に可愛い可愛いと
言ってくれているのかさっぱり分からないにきまっていても、
何となく何か感じていたようで、ぎゅーっと苦しいぐらいに抱きしめても
全く抵抗しません。

まるで「大丈夫よ、任せてちょうだい」と伝えてくれているよう。
飼い主の勝手な、都合の良い思い込みかもしれませんが...

 翌日の朝早くにボニーを連れて病院へ。

まず血液検査などがあり、血液型など全て適合していることを確認。
それからボニーからゆっくり血を抜く作業。
そしてそれからベイリーへの輸血。これは数時間かけて入れるそう。
その後、反応を見てからやっと退院ができる、と一日がかり大仕事です。

























長い一日でした。
何かあればお電話しますとのことでしたので
とにかく電話が鳴らないようにと一日中心臓はドキドキ。
No news is good news. 

犬が家に一匹もいないのは静かすぎてとても寂しい。
でもくよくよしていないで、どうせならいないことをチャンスだと思って
ワンちゃん達がいる時に出来ないことをやろう、と思ったのですが
それが一体何なのかさっぱり分かりませんでした。

やっと思いついたのが一階の空気の入れ替え。
お天気もよかったので窓を全部開け、
玄関のドアを思いっきり開けたまんまにして
久しぶりに玄関や廊下の空気を完全にリフレッシュ。
動物を飼っているとなかなか出来ないことなのでドアを開けっ放しに
する開放感と気持ちの良さをすっかり忘れていました。
おかげさまで家の中だけではなく、
落ち込んでいた私も少し気持ちのリフレッシュができました。

そして夕方になって再び病院へ。
2階から1階の待合室にまず降りて来のがボニー。
尻尾を大きく降りながら、私たちを見て嬉しそうに飛びついて来ました。
嬉しかったのはもちろん、まるで自慢しているよう。
夫も私も褒め言葉が止まりません。
「ボニーすごい!」
「ボニー、偉い!」
「なんてお利口さんなんでしょう!」
「よくがんばってくれたね」 などなど。

そして先生が降りて来てお話を。
「ボニーは本当にお利口さんでした」と。
長時間我慢しなければいけないので暴れ出したり
嫌がったりする子が多いようですが、
全くそれがなくてずっと我慢していたそう。

え?うちのボニーが? ちょっと信じがたかいお話。
















でも(たびたびの親ばか話を許してください)ボニーは賢いし、
ベイリーの状態を見ているからもしかしたら分かっていたのかも...

以前にベイリーの様子が変だと夜中にボニーが
私たち起こして知らせてくれたことがあります。
それですぐに病院へ行けてベイリーは助かりました。

まあ、どうあれボニーは良くがんばってくれました。
大量の血液を抜いたと思えないぐらいの元気さでとりあえず一安心。

そしてしばらくするとベイリー登場。
顔を上げて尻尾を降りながら嬉しそうに私たちに挨拶。
前の晩とは正反対。すごーい!

ベイリーもよくがんばったね。
元気な顔がまた見られて思わず涙が。

これからまた同じようなことがあるかもしれなく
今後は慎重にケアをしなければいけませんが、
今はベイリーが少し楽になり、眼の輝きも取り戻せたことが一番の喜びです。

2匹いるとお互い寂しくなく、一緒に遊べて楽しいことはもちろんです。
でもこのようにお互いに助け合える、
お互いを救えるといった美しさに感動しました。 
犬だから本人達は分かっていないと思う部分もあれば、
ベイリーとボニーを愛する飼い主としては
いいえ、絶対に何か分かっている、何かを感じている、と信じています。





















今後もボニーの力を借りる必用はあるかもしれません。
そしてボニーだけでは間に合わないときには他のワンちゃんにも
助けてもらうことにもなるかもしれません。

近所に住む大型犬の飼い主達からも感動的な応援の声をいただきました。
「うちの子はまだ若くて丈夫だから必用だったらいつでも言ってね」と。

飼い主同士でお互いを助け合うことはよくありますが、
ここまで言ってくださったのには本当にじ〜んときました。

今回の出来事で犬の輸血のニーズに対しての意識がかなり
高まり、犬同士がお互いに助け合える素晴らしさを実感し、
今後それをプラスに、何かできればと思うようになりました。
自分の犬がそれで助かったということは一生忘れることありません。

しつこいようですが、本当によくやったね、ボニー。
あなたはみんなのヒーローになったのよ。

2012年10月11日木曜日

「香水のつけられる空間」


最近、母が残した作品の整理で忙しい日々が続いています。
百を超える本、そして全部合わせたら数百、
もしかしたら千を超えるかもしれない雑誌や新聞などの記事やエッセイ。
















本は分かりやすく本棚に並べることができても、
大量にある雑誌や新聞の切り抜きをどのように整理するか、
片づけ&整理好きなこの私でも今回はちょっと頭が痛い状態です。

整理がなかなか進まないのは、
面白そうな記事やエッセイを見つけると
手が止まってしまい、それを読んでしまうから。

でも本当のことを言えば、
途中で読んでしまうから整理が進まないのではなく、
読まないと整理が進まないのも事実です。
あまりの多さに娘もまだ読んでいない物がたくさんあります。

今日も面白いエッセイを発見。
ちょっと面白かったのでシェアさせていただきます。

1988年に書いたのに、
今にぴったりだと思ってちょっと感動しました。
住宅関連の会社のPR誌のために書いた文章です。





















― 香りのつけられる空間 ―

「人が生活するだけの空間から、
人生を楽しむスペース創りの時代に入ったと思う。
しかしあくまでも主役は人である。
話は飛躍するが、日本の住空間の中で女たちは香水がつけられなかった。
ひとつにはスペースそのものがせまかったこと。
そしてあまりにも多くの種々雑多なものが、
その中につめこまれ過ぎていたために、
日本人は過剰な物たち ―インテリアとは程遠い時限の― の織りなす
不協和音の中で、物たちに支配されながら暮らして来た。
驚くほど無用なものが、日本の住空間の中にはある。
よく日本の家は兔小屋にたとえられるが外国を旅してみるとわかるが、
決して家そのものは小さくないのである。
物が多すぎて住スペースがせまいのだ。
今、私たちはインテリアに対する考え方の、
ターニングポイントにさしかかっていると思う。
快適なスペースを取り戻すこと。
女がその中で香水のつけられる空間。
贅沢であり充実したインテリア。
もちろん住む側の感性のレベルアップも必用である」

                                                森瑤子 1988年夏 Better Living Core より

今、物を減らすこと、すっきりした住まい、
美しいインテリアなどに関して
様々な考え方やアプローチがありますが
香水のつけられる空間といった考え方は個人的に好きかもしれません。

ただお部屋をきれいにするだけで終わらなく、
その先の夢があることも大切です。




2012年10月1日月曜日

From summer to autumn


季節が変わる頃は家の中でも忙しくなる頃。
年末の大掃除やイギリス式のスプリングクリーニングのように
新しい季節をリフレッシュした家で迎えるのであれば
「オータムクリーニング」というのもあってもいいのでは。





















夏に使っていたものを片付け、
これからの季節に使うものを取り出すと同時に整理や処分、
そしてついでに普段あまり手の届かない場所のお掃除をする
いい機会でもあります。

少し涼しくなってからやろうと思っていたこともたくさん。

小中高と通っていたインターナショナルスクールもそうでしたが、
欧米では秋から新学年が始まるのが一般的。
その「新しい始まり」といった考えが未だに抜けないようです。
秋になるとなんとなく冒険をしたり
新しいことを始めたくもなります。
















とは言ってもまだ完全に気持ちは秋になっていません。
恐ろしい台風もありながらまだ暖かい日も続いています。
でも明らかに夏とは違います。
爽やかで気持ちがよく、
家の窓は全て明けて空気を入れ替える最高な季節です。

家の中も、脳みその中もなんだかすっきりさせてくれる空気です。